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新型コロナウィルスのパンデミックによる影響で、世界中の人々が生活を変えなくてはならなくなり、多くのストレスを受けています。2020年初めから、生活を大きく変えなくてはならなかった方もいれば、3月に入って急に生活を変えなくてはならなかった方々もいます。一番大きな生活の変化を強いられた人たちとは、自宅で修学児の面倒をみなくてはならなくなった、親たちでしょう。その上、仕事をもつ親は、子供の面倒を見ながら、うちで仕事をする生活を強いられました。
私も含め、3月に入ってから、自宅学習と言う新しい形の学校教育を導入しなくてはならなかった親が、数多く存在します。その私たちは、既に経験済みの親から、どうやったらうまくやっていけるかを学べたら、と思いました。
2ヶ月自粛生活を経験している友人が、ソーシャルメディアで、体験に基づいたアドバイスを載せました。二人とも海外駐在をして居る方です。ミシェル・ラインさんは香港、レイチェル・ビショップさんは、中国の深セン市に住んでいます。私たちがインドのムンバイに2013年から2016年に赴任している間に、お二人に知り合った、とても素敵な二人の女性です。ミシェルさんは、高校の化学の先生で、高校生の娘さんは、私の娘とムンバイではお友達でした。彼女が、レイチェルさんのアドバイスも含めて掲載した内容を、こちらにシェアさせていただきます。
自粛生活に向けてのアドバイス
遠隔学習7週目に突入し、米国での騒ぎを見ながら、過去2ヶ月の体験から得たアドバイスが欲しいというリクエストを受けました。アドバイスの中には、お隣の深セン市に住む、友人レイチェルが書いた、正に的を得たアドバイスも組み込んでいます。ソーシャル・ディスタンシング(社会距離戦略)に関しては、ここでのコメントは控えます。こちらは、自分が家族と過ごしながら、家で仕事をした過去6週間の経験を振り返って、助言をさせていただきます。
家族が順応するために1~2週間の余裕を与える
まず初めに、新しい環境に順応する期間として、家族に1~2週間の余裕を与えましょう。環境の変化に、ストレスを感じていないと思われる方も居るかもしれませんが、毎日自宅に篭り、今までの生活のリズムが崩された上、新しい責務が課される状況下では、大人も子供も調子が狂います。気楽に構えましょう。もし、お子さんが学校と繋がっていることが出来れるのであれば、勝利だと思って良いと思います。高校生も含め(うちにも一人います)、殆どの子供は、自立的学習者としてのスキルを備えてはいません。出来る限り、大目に見てあげて下さい。そして、よく出来ているところは、沢山褒めてあげましょう。また、自分のストレスレベルには、注意しておかなくてはなりません。自分自身の体の訴えを、過小評価しない様にして下さい。というのも、自宅勤務を始める様になった人たちは、最初の2週間程は、自宅で業務をすることに順応するために、仕事量が倍になっているからなのです。(専業主婦も、子供や夫が居る様になると仕事量が倍に増え、同じであると私(かほ)は感じます。)
全ての活動が禁止になる心の準備を
想像もしていなかった行事や活動が、禁止になります。私たちにとって、学校が閉鎖をしてから一番大変だと感じたことは、学校が閉鎖したことによって、連携してキャンセルとなったイベントや活動があったことでした。多くのスポーツリクリエーションや趣味は、学校の安全基準に基づいていることを忘れがちです。ところが、学校が閉まると、必然的に施設や組織も閉鎖せざる得なくなります。お子さんが行っているアクティビティー全てが、想像以上に長期間活動不可となることを、予期しておいた方が良いでしょう。
プレイデートをするのか、しないのか
私たちは、祖国アメリカの人たちが住む環境とはちょっと違った環境に住んでいます。香港は、街自体がティーンにとっての大きな遊び場です。娘のモーガンの自由は、アメリカの郊外の子供達が経験する自由とはまた違っています。大概、娘は週末に一人の友人と時間を過ごします。順番でうちを交代して遊んだり、外を散策をしたり、ビーチへ行ったりはしますが、麺を食べに行ったり、映画を観に行ったり、お洒落な繁華街で遊ぶことは出来なくなりました。私から、家族の方へのアドバイスとしては、信用できるお友達と、衛生状態を保てる極少人数で会う様にしてみることです。そして、しばらくこの様な生活が続くことをちゃんと子供達にも説明しておきましょう。1週間後に、お子さんが、親に対して憤慨をしない様にするためにも。子供達は、4−5日はうちで何していても、とりあえず大丈夫でしょう。それ以降は、工夫が必要となります。私たち親も、プレイデートが必要です。人付き合いは続けました。同じアドバイスを繰り返すことになりますが、極少数で行う様に。衛生管理をちゃんとしており、共通点の多い友人たちと集まって、理性を持って行動しましょう。何回か夕食に出かけたり、友人のうちで夕食をしたり、ハイキングに行ったりしました。徹底して手洗いをする様にも心がけました。大抵の場合は、家族3人でうちで時間を過ごしました。
テクノロジーを使わない時間を大切に
ここからは友人のレイチェル・ビショップさんが書いたことを抜粋します。この部分に家族が関連して来るのですが、彼女の指摘は正に的を得ていたのと、この経験が私たち家族の絆を強くしたと感じます。お互いを支え合い、テクノロジーを使わないで時間を過ごすことがとても重要です。授業がオンランで行われると、子供はテクノロジーの吸引力に簡単に吸い込まれてしまいます。この辺は、きちんと管理しておきましょう。色塗り、絵描き、お菓子作り、読書、昔の映画を見る、ゲームを一緒にするなど、人と人が繋がれることを、何でも良いのでやってみて下さい。お子さんは、ストレスを感じる様になり、またお友達が恋しくなります。この点を、軽視したり、無視したりすることのない様に。私のティーンの娘は、上手くやっているとは思いますが、彼女がストレスを感じていることに敏感に気付く様になりました。大丈夫かどうかを逐一訊く親になって、「大丈夫。」という返事が返ってくるかと思いますが、そうしたらハグをしてあげましょう。ハグは、実は驚く程効果があります。うちでは、最近よくハグをしています。
「自粛生活にうんざりする日」
ムンバイに住んでいた時に、新しく赴任して来た人たちを歓迎した後、いつ「ムンバイにうんざりする日」が来るのかを見守ったものでした。どんな日かというと、自分の周りの全てが上手く行かずに崩れて、新しい文化に浸された状況に起きるストレスに、もう我慢ができなくなる日なのです。私が静観した理由は、手を差し伸べて、助けるためでした。その様な中で、自分の境遇を受け入れて、落ち着いた闘士と生まれ代わり、辛い日々を乗り越える人もいれば、荷物をまとめて国から逃げてしまう人もいました。今の状況が、とても似通っていると感じます。始まってから3週間以内に、家族が「自粛生活にうんざりする日」が来ることでしょう。避けることはできないのです。私からのアドバイスは、来ることを予期していて下さい、ということです。この点では、独身の友人の存在を忘れないであげて下さい。うちでハグをもらえない人たちは、一番最初に苦しむことになるのです。定期的に様子を確認してあげ、気にしてあげていることを教えてあげましょう。
辛抱 団結 論理的
それから、トイレットペーパーを買い集めるのは辞めましょう。初回のパニックでトイレットペーパーを買えなかったとしても、ご心配なく。1週間後にまたお店に現れ、お店にトイレットペーパーが溢れます。パニックが愚かな行為であったことが、すぐわかるかと思います。
ということで、画期的なアドバイスな訳でもありませんが、何人かの友人に頼まれたので、この場で発表することにしました。私たちライン家の皆は元気にしております。なんとかやりくりをしていますし、ある部分では、結構この自粛生活を満喫しています。春休みまで後3週間程となり、4月20日には学校に戻れることを祈っています。この生活に入ったばかりの方々、辛抱強く、家族で一致団結し、社会距離戦略がどれだけ重要であるか、論理的に考えて行動をする様に。
ミシェル・ラインさんより
閉鎖措置が取られてから1週間が経ち、今までは、普通に生活できることを、当たり前の様に思っていたんだと実感しました。私たちの基本的なニーズである健康や、病気に感染する心配が無く、外を安心して歩ける自由というのは、個人が一人で得られるものではないのだ、ということを今回の件で認識しました。人々が団結する努力があってこそ得られる、褒章なのだと感じました。最近は、朝起きて、太陽の光を見ることができ、家族と一緒に居られることの幸せをひしひしと感じます。
遠隔学習
2週間子供達の遠隔学習を行ってみて感じるのは、高校生1人、中学生一人、小学生一人の3人の子供達は、遠隔学習のお陰で、規則正しい生活と体制の中で、支えてもらっていると感じます。子供達の学校が、生徒たちのために、素晴らしいプログラムを作り続けていることに、心から感謝いたします。そして、先生方も、日々ストレスの多い中で生活しているにも関わらず、生徒達と繋がり、関わっていようとするその努力には、感謝してもしきれない気持ちで一杯です。
そうは言っても、子供達がディスタンス・ラーニングである遠隔学習に入ると言われた初日は、小学校2年生の息子の勉強をみるために、私が負担する責任の重さを感じ、ストレスからゲンナリしました。その時は、親に課された期待が何なのかが、全く分かりませんでした。その上、息子が新しい勉強方法を習う上で、私の手助けがかなり必要でした。正にフルタイムの仕事。その結果、自由の時間を失いました。しかし、初日の学校を終えた後、自分の気持ちのあり方に変化を感じました。その一つの理由は、慣れればいずれ、もっと容易に感じられる様になる、と感じることができたからでしょう。
自宅学習がストレスに感じますか?
先生や学校とのコミュニケーションを取るに連れ、次第に年齢が下の子供の遠隔学習は、混乱の中で、子供達が学校と繋がっていられるために行われている、と理解する様になりました。あるお母さんから、低学年の子供たちが、遠隔学習の課題から来るストレスで行き詰まっているため、親の彼女自身がノイローゼになりそうだと言っているのを耳にしました。私個人の意見ですが、自宅学習が親子にとってストレスになるのであれば、しばらくの間やらない方針でも問題ではないと思います。今の様な異常事態の時は、親の精神面の健康状態の方が、学校の勉強を続けることよりも余程大切であると思います。
下は、著者不明の文章です。こちらも参考になればと思い、載せます。翻訳は記事の下です。
学校が閉鎖している間、自宅学習をしなくては、と思っていらっしゃる世の親に対する私からの助言は、しなくても良い、です。ストレスになります。周りの状況が悪化すれば、それが親のストレスになり、子供までストレスを感じます。テレビを見たり、耳にすることから、子供達が不安を感じるようになるかもしれません。勉強をしなさいと促すことにより、口喧嘩になる様なことは、誰も今の時期に必要ありません。代わりに、子供を抱いてあげ、とにかく読書、読書、読書です。また、順番に音読をしてみて下さい。親の皆さんがお好きな小説を、自分の子供達に読んであげて下さい。(幼稚園生に小説を読むことができますよ。)パズルをしましょう。隠れ家を作ってあげましょう。お菓子作りをしましょう。テレビを一緒に観てあげましょう。お絵描きをしましょう。レゴを出して、一緒に組み立ててみましょう。リビングにテントを張って、室内キャンプをしましょう。
ご自身の子供時代の写真を見てみて下さい。
言い方を変えますと、自分の子供達が忘れてしまうことを、恐れないでも良いということなのです。うちで教育をしなくてはならない、と責任を感じなくても良いのです。一緒に時間を過ごしてあげて下さい。子供達がストレスを感じている状態では、学習が身に入りません。怖い時代でもある一方で、この時期は子供達が人生で一番楽しい時期であったと、一生涯の思い出となる時間になるかも知れません。作者不明
海外に住んでいる方へ
人生には予期せぬ出来事が付き物です。特に現在は、以前にも増してその現状が顕著です。海外の駐在員の方は、駐在先の国の対策の元で生活をしています。その様な時というのは、外の世界から隔離され、怖いと感じることもあるかも知れません。
急遽、自国へ戻らなくてはならないという状況になるかも知れません。ご自身と家族のパスポートの有効期限と、ビザの有効期限を確認しましょう。ビザの有効期限が切れていると、出国できないかも知れませんので、ご注意下さい。
また、想像している以上に長期間の間、駐在先の国へ戻ることができない可能性があるかも知れないので、大切な書類はしっかりと一緒に持って帰国しましょう。ペットが居る方は、万が一突然の一時帰国をすることを想定した上で、ペットの預け先を手配しましょう。
突然の変化は決して易しい物ではありませんが、人間は皆時間が過ぎるにつれ、新しい環境に順応して行きます。この時期を、自分と向かい合う時間にし、自分自身を成長させる期間にしてはいかがでしょうか。この不安定な期間から抜け出た時に、より打たれ強く、知識豊富になれれば、と願っています。
皆さん、健康と安全には充分に気をつけて、お過ごし下さい。
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